こめかみに感じる柔らかな感触。


本当キス魔!!


玲は違うって言うけど、誰に対してもこんな調子なのかもしれないと思うと胸がズキンと痛んだ。


私は玲の肩を軽く押した。



「せっかくの花火見ないと勿体無いよ」

「見てるよ」



って、見てないじゃん!!



「前にも言ったけど、友達同士でこんな事しないから」

「花火に夢中になってる葵が可愛かったから」

「……可愛かったら誰でもいいんだ?」



ついそんな言葉を漏らしてしまってハッとした。


隣を見上げると玲と目が合った。



「なぁんってね! 玲の自由だから私がとやかく言う事じゃないけど、私は彼氏と以外したくないからダメだよ」



笑って言うと、私とは反対に玲は真剣な顔になった。



「俺が彼氏になる。 それなら問題ないだろ?」

「……え? 何言っ__」

「俺の事嫌い?」

「っ__嫌いじゃないよ……」



むしろ大好き。


でも……。



「俺の葵になって」



そう言うと玲は妖艶に微笑んでキスをした。