お嬢様はじめました。

これはどう解釈すればいいんだろう。


本当は会いたくなかったけど、しょうがなく病院に来てくれた?


それとも直ぐには来られない状況だった?



「里美に拒絶された様に葵にも拒絶されたらと思うと、怖くて会えなかった。 独りになった葵をただ見ている事しか出来なかった。 我ながら情けない男だと思うよ。」

「なん、だ。 そういう理由……。」



もっと嫌な事を予想していたからかホッとしてしまった。


肩の力が抜けていく。



「葵?」

「私みたいな孫はいらなかったのかな?とか、会いたくなかったのかな?とか悪い方にばっかり考えちゃって、理由聞いてなんかちょっと安心しちゃった。」

「そんなわけがないだろう。 菊代も里美も葵も大切な存在だ。」



『大切な存在』……その言葉に胸がポカポカした。



「お祖父ちゃん、駆け付けてくれてありがとう。 目が覚めて一人だったら訳わかんなくて泣いてたかも……って、違う意味で泣いちゃったけどね。」



「へへ」っと笑うとお祖父ちゃんもほんの少し口元を緩めた。