お嬢様はじめました。

なんか疑われてる?


怖いんですけど……。



「虐めないでくれる?」

「玲!」



さっきまでカメラの前にいた玲が、今は私の眼の前にいる。


ホッとした。



「虐めてません」

「ウソ。 葵が怯えてた」

「れ、玲!?」

「レイ!!」



私と松本さんの声が重なった。



「葵がいる。 変な感じ」

「玲が呼んだんじゃん!」

「そうだけど、不思議。 でもいいね」



後ろから抱きしめられてる私は気が気じゃない。


そして耳元で喋んないで!!



「離れなさい!」

「やだ」

「ヤダじゃないでしょう! 子供みたいな事を言わないでください!」



松本さんがお母さんに見えてきた。


本当、大変そう。



「玲、離して?」

「葵までそういう事言う?」

「顔見て話せないじゃん?」



嬉しいけど私の心臓がもちません。


そして周りからの視線が痛すぎる。


玲は離れると、私の前にしゃがみ込んだ。



「どうだった?」

「どうって?」

「撮影」

「本当にモデルだったんだなぁ〜って思った」

「ははっ、何それ。 今まで何だと思ってたわけ?」

「変な人」

「それは葵だろ」



玲が笑うと私まで笑顔になる。