お嬢様はじめました。

「幼稚舎からの付き合いだから、あのメンバーでいる時は気を遣わないし、みんな好き勝手やってるから大丈夫」



小さい頃から目立つメンバーだったんだろうな。


食事が運ばれ、周りの雰囲気に圧倒されながらも食事を堪能した。


ナイフでお肉を切っていると視線を感じた。


顔を上げると玲と視線がぶつかった。



「何?」

「さっきから美味しそうに食べるなと思って」

「だって本当に美味しいもん。 玲は違うの?」

「さぁ、どうだろ? 俺は慣れちゃってよく分かんないかな」



贅沢な舌だ。


私はまだ全然食べなれない。



「葵は不思議だね」

「……玲の方が不思議だと思うけど」



玲はよく私の事を変だとか不思議だとか言うけど、世間一般では私の方が普通だと思う。



「そのワンピース、自分で選んだの?」

「これ? 違うよ。 ワンピースも靴も全部お祖父ちゃんが用意してくれたの」



用意してくれた時のお祖父ちゃんの顔を思い出すと、顔が緩んだ。



「へぇ、センスがいいね」

「でしょう?」



ちょっとしたことでもお祖父ちゃんが褒められると、まるで自分の事のように嬉しくなる。