お嬢様はじめました。

音楽が止んで玲の体が離れた。


同時に体温も。


なんか、寂しいな。



「何してんの?」

「……へ?」



何してんのって……何が?



「行こう」

「行こうって…何処に?」

「ここじゃない何処か」



どういう事?



「こういう行事好きじゃないんだ。 元々出る気なかったし」

「そうなの?」

「そっ、でも葵と会って気が変わった」

「私?」

「つまらない学校行事も葵がいるなら少しは楽しめると思ったんだ」



私がいるから楽しめた?


玲の言動はいつも私を悩ませる。


素直に喜ぶべきなのか、それとも深く考えるべきなのか…。



「葵と踊れたしここにいる理由がなくなった。 だから2人で抜け出そう?」



玲がどういうつもりかは分からない。


でも自分がどうしたいのかは分かる。



「お腹すいた」

「あはは、オッケー。 ご飯食べに行こう」



華と樹希に先に帰る事を伝え、私は玲と外に出た。