お嬢様はじめました。

「旦那様がお待ちです」

「お祖父ちゃんまだ出掛けてないんですか?」



今日は会食とかって言ってなかったっけ?



「葵お嬢様を見送られて出掛けられるとのことです」

「そうなんですか?」



初めての舞踏会だから心配してくれてんのかな?



「『孫の晴れ姿を見ずに出たら会食に集中できない』と仰っておられました」



お祖父ちゃん……。


本当、ジジ馬鹿。


でも愛されてるなって思うたび嬉しいなって思う。



「お祖父ちゃん何処にいます? 早く今の姿見せてあげなきゃっ!」

「玄関にいらっしゃいます」



荒木さんと2人で玄関に向かった。


お祖父ちゃんを見つけ駆け寄ると、近くでマジマジと見られた。



「良く似合っている」

「葵お嬢様、とても良くお似合いでございます」

「あはは、ありがとう。 なんか照れちゃうね」



お祖父ちゃんと浅賀さんに褒められて顔が熱くなった。


手で顔を仰いでたらお祖父ちゃんに笑われた。


でもその顔が直ぐに驚いた顔になった。



「その指輪…菊代の……」

「流石お祖父ちゃん! お婆ちゃんのジュエリーボックスに入ってたの。 イヤリングと合うかなって思って」



結婚記者会見みたいにダイヤモンドがついた指輪を見せた。


何故かお祖父ちゃんの顔が今にも泣きそうな顔になって焦った。