「今更何しに来たのよ！？」



お母さんの大きな声で目が覚めた。


お線香の匂いがして、また涙が出た。


おばあちゃん……。


大好きなおばあちゃんが死んだ。


朝学校に行く時は元気だったのに、学校が終わって家に帰ったら台所でおばあちゃんは倒れてた。


『おばあちゃん！！』ってどんなに叫んでも目を開けてくれなかった。


体をゆすってもピクリともしなかった。


怖くてお仕事に行っているお母さんに電話した。


お母さんたちの言っている事はよく分からなかったけど、おばあちゃんが死んだって言葉は直ぐ分かった。



「お母さんがどれだけ苦労したかっ、私がどれだけいろんなものを我慢してきたか貴方には分からないでしょ！？　分かるわけないわよね！！　帰って！！　帰ってよ！！」



こんなお母さんの声を聞いたのは初めてだった。


そっと扉を開けるとおばあちゃんと同じくらいの男の人が立っていた。