あの時、私は勢いに負け答を出せずに逃げてしまった。 きっとあの時の私の顔は酷かったと思ったからだ。 恋と認識してしまってどうしようもなくもどかしかった。 「か、考える!」 「あ、おい沙乃!でも…俺から逃げれると思うなよ」 「へっ…」 あの蓮斗の顔が頭に深く刻まれていた。 あの時、蓮斗はなにを思っていたんだろう。 私は蓮斗と同じことを思っていただろうか…? 同じではないなら付き合う事なんて出来ない。 そしてその夜は良く寝つけなかった。