「あーあ。俺ならもっと大事にするのに」
そう呟いたのは俺の友達、佐藤。
佐藤は俺の机に肘をついて、俺を睨んでいた。
「なんで、何もしねえの?あんなに可愛い彼女がいるのにさ」
“彼女”か。
いや、彼女じゃないのかもしれない。
「あっちはきっと付き合ってると思ってない」
思ってるはずがない。
付き合ってください。
そう言ったのに君は無反応だった。
ただただ顔を真っ赤にして、立ち尽くしていた。
「はぁ?付き合ってくださいって言ったんだろ。それで向こうは頷いたんだろ?」
頷く?
頷いてはいない。
「無反応だったってば」
お前にはわからないだろう。
付き合ってくださいと言って無視される俺の気持ちが。