そう言ったものの、余計に辛くなるだけで。
どうして。
どうして嫌いになれないの?
戸田くんがひどいやつだと思っていても、心のどこかでは期待してる。
私たちのことについて何も言わないのは何か理由があるんじゃないかって期待してる。
もうこんな自分が、嫌になる。
「ヒカリ、帰ろ」
私はヒカリの手を引いて歩き出す。
ヒカリは戸惑ってそれを拒んだ。
「ダメだよ、待とうよ!」
「もういいの。お願い、これ以上傷つくたくないから…」
私がそう言ったとき、ヒカリの拒む力が柔んだ。
ヒカリがひどく寂しそうな顔をしていた。
「そっか…」
ヒカリ、ごめんね。
「ごめん、無理言って…」
歩き出すヒカリ。
私はその横に並んだ。
ごめんね、ヒカリが悪いわけじゃないんだよ。
そう言いたいのに、言葉がでてこなかった。

