廊下から足音が聞こえてくる。





タン、タン、タン、タン。



一定のリズム。


とてもゆっくり。




戸田くん、なのかな…




近づいてくる足音と同時に、期待が膨らんでいく。





気づけば寒さを忘れていた。



ポケットに入れていた手は、外に出ていてギュッと昇降口のドアを掴んでいる。





冷たいはずのドアは全然つめたくなくて。




戸田くんがくる



そう思うと、ワクワクして、ドキドキして、寒さも何もかも忘れていた。





そして、ゆっくりと人影が私の目にうつっていく。



そして私の目の前に人が立った。