告白してきた彼は戸田くん。
戸田くんは遠い存在。
戸田くんが1組で私が8組という距離もあるけれど、もっと感覚的な遠いものがある。
私が一般道路を走る車なら、戸田くんは高速道路を走る車。
同じ車でも、走っているところが違う。
目指しているものが違う。
私と戸田くんはそんな車たちのよう。
戸田くんが私を見ることはないのかもしれない。
でも私はずっと見てた。
1組の前を通るときはいつも必ず教室の中をみて君を探す。
教室の窓からグラウンドを見下ろしたとき、戸田くんがいたらいつも見てるよ。
そんなとき、
戸田くんが告白してくれた。
両思いのはずなのに、まだ片思いの感覚。
だって、私は「付き合ってください」という言葉に頷いた。
なのに告白される前とされた後も現状は変わっていない。
ただ見ているだけ。
挨拶も交わさないし、目も合わさない。
こんなの、全然両思いじゃないじゃん。
私たち付き合ってるのかな…