廊下に出たとき、こっちに向かって君が歩いてくるところをみつけた。




マフラーを首に巻きつけて、鼻を赤くしている君。





だいたいわかっていた。



この時間になると君が登校してくることが。




だから俺はこの時間になると廊下に出る。



…君に会うためだ。





君が俺におはようと言おうとしていることがわかっている。



でも君はいつも「お…」しか言わない。





俺の告白は無視するのになんで挨拶をしてこようとするのかがわからない。




でも、それに気づいたとき、すごく嬉しかったし、だから俺は君の挨拶の声を聞くために廊下に出るんだ。




今日こそ言ってくれるかな?



そんな期待をしながら。