「戸田なら、職員室行ってっけど」
1組の入り口付近にいた男子に、「戸田というやつはいるか」とヒカリは聞く。
案の定その男子生徒が口に出した言葉はそれだった。
よかった…と胸をなでおろす私。
戸田くんがいたら、私今頃どうなってんだろう。
きっと固まって動けなくなっちゃってた。
ヒカリははぁ、とため息をついて男子生徒に礼を言った。
「残念すぎる。戸田の野郎次こそ教室にいとけよ」
ヒカリは怖い顔をしながら8組へ向かう廊下を歩いていく。
ヒカリのその言葉にギョッとする私。
「次って、次があるの!?」
「そりゃあるよ。これで諦めたなんて思わないで!」
ヒカリィ〜〜。
お願いだから思いとどまって〜〜。
きっと叶うことのない願い。

