「ねえ、あんたらほんとに付き合ってるの?」
毎日言われるこの言葉。
聞きなれてしまった。
「付き合ってるよ。…たぶん」
私の言葉にはあ…とため息をついたのは、友達のヒカリだった。
「たぶんって…。スゥ、いい?よく聞きな?あっちから告白されて付き合ったとしても、毎日挨拶もしない、何も話さない、メールもしない。それは付き合ってるっていえるの?」
スミレという名をスゥと呼ぶヒカリ。
彼女はあきれた口調でそう言うのだ。
私にだってそんなのわからない。
そう、私は憧れていた人に告白されて、付き合い出した。
でも、話しかける勇気がでなくて。
それに、告白してきた当の本人が何もしてこない。
メアドも知らない、連絡先も知らない。
誕生日だって、好きなものも知らない。
私はどうすればいいのかさえわからない。
付き合ってるかどうかもわからなくて、私にはどうしようもなかった。