今日も歩いてくる君を見つける。
背の高い君。
だからすぐにわかっちゃう。
今日こそ言いたい。
「おはよう」って。
うるさい心臓を抑えながら歩く。
君との距離が縮まっていく。
息を吸った。
大丈夫、ちゃんと言える。
君と私がすれ違う瞬間、
「おはよう、戸田くん」
消えそうな声でそう言った。
かすれてなくなってしまいそうな、小さな小さな声。
今日は言えた…!
聞こえるはずのない声なのに、君はちゃんと聞いてくれていたんだ。
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