なんでこんな言い方しか出来ないんだ。
昔はちゃんと…話せたのに。
「……いいから寝れば」
「ん…」
岩堀が、小さく返事したかと思ったら、
床にポタッと、何かが落ちるのが見えた。
……まさか…
バッと肩を掴むと、岩堀がビックリして顔をあげる。
ばっちり視線があって、気付いた。
岩堀の瞳から、涙が溢れていた。
「お前…なんで、泣いて…」
「あ…ご、ごめ…っ
体調悪いから、なんか涙脆くて…っ」
ゴシゴシと手で涙を拭う岩堀。
「……体調悪いなら、早く寝ろよ」
心配で、早くベッドに行くようにうながしたら、
岩堀はもっと涙をこぼした。
「っ…、
岩堀、そんなに体調悪いなら…」
「……ないで…」
「え?」
「……嫌わないで…」
弱々しく、岩堀が呟いた。
拭っているのに、涙がポタポタと床に落ちていく。



