頼まれた通り、水とタオルを持って部屋に戻る。
コンコンとドアをノックすると、返事もなしにドアが開いた。
「あ…ほんとに持ってきてくれたんだ…」
……俺のこと、なんだと思ってんだよ。
疑われるとか、そこまで嫌われてんのか、俺。
しかも、ずっとドアの前にいたのか?寝ろって言ったのに。
「……ドアの前で心配されるほど、俺って信用ないのかよ」
「えっ…と、
そ、そういうわけじゃ…」
やっぱり俺の言い方がキツいからか、「ごめんなさい…」と顔をうつむかせてしまう岩堀。
……違うのに。
謝ってほしいわけじゃない。



