体調が悪いからなのか、
少し潤んだ瞳が、大きく見開かれる。
「し…清水、くん?」
「……なに」
「あ、あの…ごめんなさい…。
私、また何かしましたか…?」
何か、って?
「ドアぶつけた」
「あの、そうじゃ、なくて…」
「なに」
「清水くんが…私に謝った…ので」
夢でも見てるのかな、と言いながら部屋のドアを閉めようとする岩堀。
いや待て、なんで閉める。
「逃げんな」
「…!?」
どうやらマジで、夢なのかと思っていたらしく、
ドアの間に足をはさんで閉めるのを阻止すると、びっくりしたように「わぁ!!」と声をあげていた。



