「最悪…。
朝から気分悪くなる……。
私、他の車両行くから」
まだ掴まれたままだった手を乱暴に振りほどいて、
前の両に向かって歩き出した。
なんで、清水くんにそんなこと言われなきゃいけないの?
「意味わかんない…」
ボソッと呟いて、前の両に移動すると、
そこには、見覚えのある姿が。
「あ、由佳菜ちゃん」
「日笠くん!?」
あれ?なんで?
この電車じゃないって言ってなかった?
「普段は一本前の電車なんだけど、
間に合わなくて遅れちゃった。
でも由佳菜ちゃんと一緒なんて、ラッキーだな」
ニッと歯を見せて笑う日笠くん。
そっか、いつもよりは遅い電車って意味だったんだ?



