駅に着くまでになんとかパンを食べ終えて、



息を切らして駅に到着した。




「ま、間に合った」




ふーっと大きく息をはいて、改札を通った



その時。




「……お前、ギリギリだな」



「……へ?」




改札の向こうで、壁にもたれている人が呟いた。



……え、



…なんで?



なんで、清水くんがいるの?




「え…」



「つか、お前も同じ電車かよ。
……チッ」




うっ、舌打ちされた…。



そんな嫌な顔されるなら、



遅刻しちゃえばよかったかも…。



そう思ったとき、電車がホームにやってきた。



乗ろうとして列に並ぶ清水くんが、迷惑そうにこっちを見た。



……やっぱり私、



清水くんにこんな顔されたくない…。




「……私、これ乗らない」



「は?」



「…つ、次のでも間に合うし!」




ギュッとカバンの紐を握って、列から外れる。



すると



グイッと、手首を掴まれ、引っ張られた。




「えっ」




引っ張られたまま、



私は無理やり電車に乗せられた。




「これ以降のやつは間に合わないって、
須藤さん言ってたけど」



「……えと」



「つかお前が列から外れたりするから、
座るとこなくなった最悪」




はぁ、と大げさにため息をつく清水くん。



…なにそれ。