あーもう……ホントに電車の時間変えようかな…。




「……ホントに会いたくない…」



「なんで?
彼、由佳菜のこと好きなんじゃないの?」



「……は?そんなわけないじゃん。
私の一方通行だもん…」




膝を抱えるようにしてうずくまっていると、



叶都くんがクスッと笑った。




「そーなんだ?由佳菜が彼をねぇ~。
いいじゃん、脈アリかもよ?」



「ないよ…そんなの」



「あるって~。
由佳菜が幸せになれるように、俺も応援してる。
もし俺が彼に会うことがあったら、言っとこうか?」



「え、私が清水くんを好きってことを!?
言っちゃダメに決まってるでしょ!?」




とんでもない発言をする叶都くんの肩を、バシッと叩いた。




「いたっ!
暴力はよくないよ」



「…だって叶都くんが変なこと言うから!」



「変なこと?応援してるだけなのに」



「じゃあ、余計なこと!
そういうの、やめてよね!」




フンッとそっぽむくと、叶都くんは面白そうに笑いながら、『ごめんごめん』と軽く言った。



……絶対反省してないよね。