とぼとぼと家までの道のりをゆっくり歩く。
途中で喉が渇いて、近くのコンビニに立ち寄った。
「いらっしゃいませ」
「あ、こんにちは」
「あ、由佳菜」
ペコッとお辞儀をした私に
ニコッと笑顔を見せるのは、
幼なじみの、羽柴叶都くん。
私の2つ上で、高校3年生のお兄ちゃん的存在。
黒髪で清潔感あふれる、コンビニ店員だ。
「叶都くん、この時間にいるなんて珍しいね?」
「うん、今週は
体育祭の準備の関係で帰り早いから。
今日はなに買うの?」
「飲み物を」
「コーヒーにする?」
「うーん…ペットボトル買うよ」
飲み物が並ぶ冷蔵庫から、お茶を手に取りレジへ向かう。
「ありがとうございます」
いつも近くにいた叶都くんが、こうやって接客してるって不思議。
しかも叶都くんはかなりのイケメンで、
清水くんより格段に顔のパーツは整ってるし、
清水くんより愛想よくて爽やか。
……なのにどうして私は
清水くんを好きになったんだろう…。