清水くんの手を振り払って、人混みに紛れるように逃げた。
最低だ…私。
あんなの、ただの八つ当たりだ…。
「……あ!
由佳菜おかえり…って、どうしたの!?」
「………う…」
お店に戻ると
涙でぐちゃぐちゃの顔の私を見て、叶都くんがタオルを渡してくれた。
「由佳菜、服乾かしに行ってから全然戻ってこないと思ったら…なんでこんなことになってるの?」
「……フラれ、ちゃった…」
「……は?
あの、コンビニで会った彼だよね?」
ちょっと詳しく聞かせて、と、叶都くんが立ち上がって、私の腕を掴んだ。
「父さんごめん、ちょっと由佳菜と話があるから抜けるね」
「おう」
ちょうど花火が始まって、お客さんが少なくなってきていたから、
お店は叶都くんのお父さんに任せて、屋台の裏にまわった。
「で、フラれたってどういうこと?」



