そんなこと言っても、困らせるだけ。



その言葉を我慢するように、唇を強く噛んだ。




「岩堀、ダメ、血が出ちゃうから」



「う…」




……なのに、どうして優しくするの。



美紀ちゃんがいるのに。美紀ちゃんが好きなくせに。



なんで……こんなことするの。



もっと好きになってしまう。



好きになったって、無駄なのに…。




思わせぶりな清水くんが






………嫌い。