「……なに?」




聞こえないから、聞き返す。




「………き…ぃ」



「ごめん、もう一回…」







「清水くんのことが…




………嫌い…っ」





岩堀が一方的にそう言うと、



俺の手を振り払って、走って逃げてしまった。




……待って。



今、俺、なんて言われた?



俺のことが…嫌い?



あまりにも、ぶつけられた言葉がショックで



体が動かなくて…



岩堀を追いかけることが、出来なかった。




呆然としていた時、



一番最初の、大きな花火が咲く音がした。




その音が……すごく遠くに感じた。