「というのは冗談で」
…冗談?
ホントになに言ったかわからなかったんだけど…
まぁ、冗談らしいし、気にしなくて大丈夫そう…かな?
話題が尽きてきたな…と思った時、
ちょうどいいタイミングで、電車が来た。
「お、電車来た。
乗ろっか」
「あ、はい」
プッと笑って、日笠くんはやって来た電車に乗り込んだ。
今、なんで笑ったんだろう…?
不思議に思いながら、私も続いて乗ると。
「なんで敬語なの?
同い年なのにー」
クスクスと笑って、そう言ってきた。
あ、それで笑ったのか…。
「日笠くん、清水くんより大人っぽいから
なんとなく…タメに思えなくて…」
「タメだしー。
つか、翔真が子供っぽいんじゃん?
俺はフツーに男子高校生。年相応の」
そうは言うけど、やっぱり日笠くんの横顔は、大人びて見える。
……私が子供っぽいからかな。



