………遅かった。
「………」
私はそのまま、2人に声をかけずに来た道を戻る。
何度も何度も、さっきの光景が頭によぎって、目頭が熱くなる。
涙が出そうになるのを、ぐっと唇を噛んで我慢しながら歩いていた。
顔をうつむかせて歩いていると、
前から、「お姉さんっ!」って呼ぶ声が聞こえた。
顔をあげると、さっきの、イケメンなお兄さんと可愛い彼女さんがいた。
「よかった、見つかって」
「え…どうして…」
「やっぱ、気になっちゃったから。
汚れたままなんてよくないと思って」
「ハンカチ、使ってくださ…──って、えぇ!?」



