目を閉じて、その唇を受け入れる。
数秒経った後、ゆっくりと唇が離れ、
水面に顔を出して勢いよく息を吸った。
「ぷはっ」
「……は」
「清水、くん、ど、して…」
目を合わせるのが気まずくて、視線を背ける。
濡れて目にかかる前髪をそのままに、清水くんは言う。
「……かわいいから」
「…………へ!?」
清水くんから出た言葉だと思えなくて、びっくりして声が大きくなってしまった。
「なんだよ、うるさい。
電車の中でも、言っただろーが」
「え、電車?」
「言ったよ。
お前、全然聞いてなかったけど」
あの、小さな声で言ってたやつ??
か、か、かわいいって言ってたの…?
「……な、なんで私にそんなこと言うの…?」
「は?」
「そ、そういうのは、好きな子に言うんだよ…!
き、キスも!好きな子にするものだよ…!」



