聞こえた声は、とても不機嫌そう。
そう言った、水中から出てきた人物は、清水くんだった。
「翔真、おどかすなし!」
「……勝手にいなくなるからじゃん。
そのくせ、面白くもなさそうな遊びしてるし」
「はぁ?面白いよ」
「2人で浮輪に掴まってプカプカ浮いてる遊びがか?
ガキかよ」
清水くんは水に濡れて顔に張り付く長めの前髪を、鬱陶しそうに掻き上げた。
が、ガキって…
それ、私のことも言ってるんだよね…。
「翔真には関係ないだろ。
俺が由佳菜ちゃんと2人で遊んでるのが楽しいんだよ」
「ひ、日笠くんそんな言い方…」
それじゃまるで、清水くんと遊ぶのはつまらないって言ってるみたいだ。
「……あっそ」
ほら、清水くん怒ってる。絶対怒ってる。