『……もしもし』



「も、もしもし…清水くん…あの…」



『健太から聞いてる。
……寝坊?』



「うん…。
これは完全に私が悪いので、清水くんはみんなと同じ時間の電車に乗って!?」




バタバタと大きな足音をたてて準備していると



電話の向こうから『おい』と聞こえてくる。




『残念ながら、今その電車が目の前で発車した』



「…えぇ!?
ご、ごめんなさい…!!私のせいで…!!」



『いいよ別に。
てかもう完全に遅刻なら、ゆっくり来れば?』



「…え」



『バタバタ足音聞こえてる。
慌てなくていいから。
ちゃんときっちり準備してから来い』




命令っぽい言い方なのに



声色は優しい。