どうでもいいって思ってたらわざわざ家まで来るわけないだろ。
……って、素直に言えたらいいんだけど…
やっぱり俺ばっかり岩堀を気にしてるっていうのが、悔しい。
だから、素直になれない。
「今は須藤さん関係ないだろ。
いいから、お前早く寝たら」
「わっ!」
抱きしめた体勢のまま
言っても全然動かなかった岩堀を抱え上げて、強引に部屋に入った。
「ひ、1人で歩ける…!」
「お前何回言っても動かないじゃん」
「も、もう寝るから…!」
強気な口調で言うけど、宙に浮いてるからか抵抗しない岩堀。
そんなことを言ってる間に、俺は岩堀をベッドに座らせた。
「歩けるって言ったのに…」
「そこまでの距離だろ。
気にするか?」
「気にする…!
重いし…!」
……
いや、ほんとにたったの5メートルほどの距離だぞ。気にしねーよ。



