神田 華那【かんだ かな】、19歳。

私は、普通に彼氏がいて、普通に居酒屋でバイトをしてて、
普通に友だちと毎日遊んで、普通に化粧で誤魔化して、
普通なんだって、思いたくて。

でも本当は、カッターで腕を切っていて、
友だちなんかごく僅かしかほしくなくて、
彼氏と一緒にいる意味なんかただの寂しさ紛らわすためで、
普通以下の馬鹿な女なんだ。



だから、

「どうも、藤本 夕紀【ふじもと ゆうき】です。華那ちゃんだよね?よろしくね」

貴方のことも、最初は、
すごくすごく苦手だった。