「なんでいっつもこーなるの。」


幼なじみは嗚咽を交えながら愚痴をたれた。


今、幼なじみは理屈や理由が知りたいのではない。


幼なじみは僕に聞いて欲しいのだ。


「もうほんと、やだ。」


僕の肩に雫が落ちる度、じっとりと暖かく濡れる。


こんな風に幼なじみに泣かれるなんて好かれた男が羨ましいが、

僕のこの役目は僕にしか務まらないことは確かだった。


どっちもなんてなれるはずもない。


ため息をついて出た白い息と紺色の空に瞬く星の輝きが幻想的だった。


そういえば地学の教師がオリオン座の星の一つが消えてなくなると

言っていたことを思い出した。


昔から変わらず光続けていたものもいつかは消えるのかと

今、切実に感じた。


だが僕と幼なじみの変わらなかった関係が変わるのは今ではない。


何者にも変えられないほど僕は好きなのに、今でない。