教室に戻ると中は騒がしくて、まだ流れている曲がほとんど聞こえていなかった。

まあ、いつもこんな感じなんだけど。



「ここちゃん、お帰りー」

「ただいまー、未歩ー」

「今日も絶好調だったね」

「うん、ぜっこーちょー!」

「俺、いつも思うんだけどさ、」



突然現われた、南 凌真。

驚きすぎて声は出なかったけど、顔はすごいことになったと思う。



「どっ、どっから湧いて出た!?」

「酷いなー、ここちゃん。俺ずっといたよ」

「あれ、ごめん。眼中になかったわ…」



ほんとびっくりした…
心臓に悪いっつーの。



「で、何?」

「いやーさ、
ここちゃんの放送とココアちゃんのラジオと、
なーんか似てるなーと思ってさ」

「は?」



いやいやいや、似てるも何も同一人物ですから。

口が裂けても言えないけど…



「そんなわけないじゃん。
でも…ココアちゃんのラジオを参考にしてるから…ってのもあるんじゃない」

「そうだよ、凌真くん。
ここちゃんはここちゃんの良さが出てる放送をしてるんだから。
ココアちゃんとはまた別だよ」




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