プルルルルルル・・・
プルルルルルル・・・
部屋に着信音が響いた。
無視しようかとも思ったけど、鳴り続ける着信音に、その相手が誰なのかさえ分かってしまった。
プルルルルルル・・・プッ
「はぁ・・・。何?悠」
「あっ!やっと出てくれた!舞姫ちゃん、出てくれないから居ないのかと思ったんだから!」
・・・絶対思ってないだろ。
そう思ったけど、あえて言わない。
「舞姫って呼ぶの止めてよ。んで、何なの?」
「あははっ、ごめんごめん。姫花ちゃん宛の手紙が届いてるから、久しぶりに来てよ?」
「えー・・・」
「大丈夫っ!今は俺とナツしかいないから!」
「・・・分かったよ。一時間で行くから」
「うわ、だるそう!5分でつくでしょ!?・・・」
うるさい携帯の向こう側。
ブチッと強制的に電話を切り、支度を始める。
悠の居るところまでは5分で着くけど、気分が乗らないから、少し寝てから行くつもりだ。
・・・そう思っていたのに。
♪ピンポーン
呼び出し音。人が来るはずのないこの家。
嫌な予感しかしない。

