大切なあなたと記憶。

「それで、今日は…喧嘩、して…
君が家を飛び出して俺が君を追って家を出たら玄関先で君が倒れてて…それで」

目の前の彼は唇を噛み締めて下を向いてしまった。

喧嘩…

「なんで喧嘩を?」

「それは!」

彼は黙り込んでしまった。

「言えない事何ですね…私も深くは聞きません。」

私とこの人に何があったのかなんて今の私には分からないから何とも言えない。

「いや…言いたいけど、でも、今は言えねぇんだ…」

「そうですか」

なんで私はこんなに冷静なんだろうか。