【短編】グラさん観察





「何やってるんですか?その子嫌がってるように見えますけど?」


絶体絶命の私に伸べられた救いの手…。


背後から、男の人の声が………。






もしかして……もしかすると……


私のヒーローグラさんっ!?





「チッ……」



チャラ男は、悔しそうに舌打ちすると、渋々手首を掴んでいた手を離し、ブツブツ言いながら何処かに行ってしまった。



た、助かったぁ―――…。


安堵感から腰が抜けて、その場に座り込んでしまった。



「あ、ありがとうございましたっ!!あのままだったら、私……」


そこから先のことを考えると、無意識に鳥肌が立っていた。



だけど、今はそれよりグラサンだよ……。