木の影からグラサンを見る私を、周りの人は奇妙な目で見るけどそんなの気にしてられない。


恋は盲目なのっ……!!


1人で言い訳じみた事をぼそぼそ言っていると、グラサンがこっちに歩いてきた。


今がチャンスだっ!!!


「きゃあ……痛ぁーい」



あたしは木陰から飛び出して、人目も気にせず膝から崩れ落ちた。



どうだっ!!

私の迫真の演技は!!


リアルに少し痛む膝を気にしながら、グラサンからの言葉を待つ……だけど



――――――!?




グラさん………気付いてないんですけど。



それでもかというくらい待っていると……



「どーしたの?大丈夫ぅ〜?」


きゃー!!


グラさんじゃなくてチャラ男が来ちゃったんですけど。



「ねぇねぇ彼女〜。足痛いんならさ、休める所あるから一緒に行こーよー」



とかなんとか言いながらチャラ男の目線は、ちょっと離れた所にあるあのピンクの建物………



そう、ラブホに集中してる。



下心丸見えなんだよ!!