『っっ!?!?!?』





 「ユーリ、だいじょうぶですか?」







 気がつくと、ベッドの上





 レンくんが、私の顔を覗き込んでいた






 『レ・・・くん』





 僅かに痛む頭






 押さえながら起き上がると、レンくんが私に勢いよく抱きつく







 「ずいぶんとうなされていましたよ?
 しんぱい、しました・・・」





 ぎゅうう、と息が苦しいくらいに抱きしめられ、少し嬉しくなった






 『そんなに心配してくれていたの?ありがとう、レンくん』






 頭を撫でながら、お礼を言う





 すると、顔を上げ、レンくんも嬉しそうに笑った





 「ふふふ、ユーリのことなら、いつでもかんがえていますよ
 だって、ぼくはユーリがだいすきなんですからね!!」






 ぞくり






 なんでもない、その言葉





 それなのにそれは、私の心に大きな波紋を作った






 笑い方





 声






 喋り方




 
 
 信じられないくらいに、夢の中の彼にそっくりで






 
 さっと、寝ぼけた頭が冴える





 
 「・・・?ユーリ??」







 首を傾げて、具合が悪いんですか?と問うレンくん






 可愛らしい行動は、今は逆効果





 怖い






 
 『わ、私の、名前は・・・・・・

ユーリじゃないよね?』







 レンくんの顔から、表情が消える






 ひどく冷たい、眼







 でも、それも次の瞬間には、いつも通りの笑みに戻っていた







 「あたりまえじゃないですか!
ユーリ、っていうのはぼくがかんがえたなまえなんですから

なまえ、いきていたころのとはちがいますよ」





 ふふふ、どうしたんですか?と笑う





 レンくんの笑顔は、いつも、そんな風に作られているものなの?






 ・・・レン、くん・・・






 ・・・貴方は、誰?




 
 私は思わず、心の中で、夢の中の彼にしたものと同じ質問をしていた