初めて謎の男を見た次の日から男は毎日現れるようになった。




「…」



『…』




今日も私たちは無言で見つめ合う。



最近は雲が多く、まだ1度も男の顔を見たことは無い。



まるで男の顔を見せまいとするかのように。




しばらく経って、いつまでいるんだろうかと思い始めた頃、



「…は」



と低い声が聞こえた。


何を言ったのか聞き取れず、首をかしげると、



「続きは」



と落ち着いた低い声が聞こえた。