双姫 Ⅰ



『ちょ、ちょっと待って?
私が紘にぃと兄妹だってバレちゃうよ!?

それに組とか家の事も…。
他の族とかにも私が狙われちゃうよ!』


「だぁいじょうぶよ♪

危なかったら紘が助けてくれるし、
なんならバレても良いわよ?
それに朱音も弱くないしね??」


『そ、それはそうだけど…。』


「行ったら『アイツら』の情報も
手に入りやすくなるかもしれないわよ?」


『!?』


「ふふ、顔付きが変わったわね?」


『母さん…わざと楽しんでない?』


「失礼ね?

組と会社の権力を使わず、
自分だけで突き止めたいと決めた朱音を
後押ししてるだけよ?」


『……。』


母さんには適わないな…?


「…行くのね?」


『行ってやろーじゃん。』


「ふふ、紘の反応が楽しみね?」


『…そうだね。』


二人は顔を見合わせて微笑んだ。