双姫 Ⅰ



「よぉ、遅かったな。」


屋上の中央に佇む一人の男。


「お前が神崎 紘か?」


「あぁ、俺を探してたんだって?
一体なんの用だ?」


「神崎 蒼翔を知っているか…?」


「知ってるもなにも俺の弟だが?」


「「「「「!?」」」」」


「やっぱり!ねぇ!蒼翔は今どうしてるの!?」


燐が神崎に駆け寄る。


だが、


「悪いが答えるつもりは無い。」


その一言で静寂に包まれた。


「…どういう事だ。」


「そのままの意味だ。
お前らは蒼翔にとってマイナスでしかない。
これを機に俺の弟に近付くんじゃねぇ。」


「てめぇ何様だよ!
たかが兄貴ってだけで
俺らに指図してんじゃねぇよ!!」


「力ずくで聞き出すしかありませんか?」


「……怪我したくなかったら教えて。
俺は無駄な争いなんかしたくないから……。」


「へぇ、俺に喧嘩売るのか?」


「それで蒼翔の居場所を聞けるんならな!!!」


俺の言葉と同時に
燐、愁斗、李樹、類が飛びかかった。


一瞬だ。そう、たった数秒だった。

確かに俺は
李樹達が神崎に飛びかかったのを見た。