『誰が入るか。』


一瞬にして
暖かい空気が冷気に変わった気がした。

それでも知らん顔で言葉を返す。


「なんだと…?」


でも、その言葉に納得がいかなくて
思わず睨みつけてしまった。

それでも蒼翔は
気にも止めないように薄笑いを返す。


『俺がクラスに入った時なんつった?
『関わらないでくれ』って言った筈だ。』


「…言った。」


『聞いてたのは類だけか?
お前達のその耳は飾りか??』


「黙って聞いてれば調子乗りやがって!!」


その言葉にいち早く反応した愁斗が
蒼翔に殴りかかろうとした。

その次に反応した李樹が
直ぐに愁斗を抑える。


『俺を…殴りたいのか?』


それでも挑発を続ける蒼翔。


「離せ李樹!!
コイツ一発ぶん殴んねぇと気がすまねぇー!」


『はぁ?俺がお前ごときに??
笑わせるなよ。』


その言葉、声だけで凍りついた。


『用はそれだけか?
それじゃあ、話は終わりだな。』


そう言って
蒼翔が屋上から出て行こうとする姿で
俺の意識が戻った。


「待てよ!!」


力任せに蒼翔の腕を掴んだ。