双姫 Ⅰ



まさかの銃に一気に緊張が走る。


「総長を離せよッ!!」


銃口を類に向け、東条を離すよう要求する男。


「…錦。」


「総長。
安心して下さいね。今、助けますから。」


男は東条を慕っているのか
見捨てるつもりは無いらしい。


「……コイツを離す訳にはいかない。」


「…良い度胸だな。
お前も俺が殺してやるよ。
刑務所暮らしも意外と楽しいからなぁ!」


『刑務所…暮らし?』


まさか、コイツ。
蒼空を刺したあの時の男…??


「やっと出られたけど
総長の為なら別に良いんですよね。」


『総長もクズなら周りもクズだね。』


東条に近付き、ねぇ?と答えを求める。


「誰だ…。」


『お前が私の妹を刺したんだよ。
この顔に見覚えないの?

殺人犯は一生刑務所に入ってなよ。』


「あの時の…ガキ……?」


一瞬だけ男の身体が揺れたような気がした。