双姫 Ⅰ



「動くなよ、アンタには自首して貰うから。」


類の言葉に大人しく従う東条は
まるで借りてきた猫のようだ。


「朱音…それで良いよね??」


私はその光景を呆然と見ながら頷いた。


「朱音ー!!」


聞き覚えのある声に視線を移す。


『紘にぃ…。』


「無事だったんだな?『千騎組』も潰した。
こっちも片付いたみたいだな?」


『………うん。』


「……よく頑張ったな?
自分を見失わなかったんだな。」


違う、私は完全に見失ってた。

私は東条を殺すつもりだった。


『類……類が止めてくれたの。』


「そっか…。」


優しく頭を撫でてくれる紘にぃ。
その手は暖かくて少し力が抜けた。


終わった…。


そう思った時、


ダァン!!


近くで銃声が聞こえた。


「総長を…離せ……。」


血迷った男が銃を片手に近付いて来た。