『立てよ……立てよッ!!』
ナイフ持ってるくせに何震え上がってんのよ。
「わ、悪かった!」
『謝って済む問題か…?
そんなに簡単な事じゃないんだよ!!』
ナイフを蹴り上げ、手中に収める。
「朱音!!止めろ!!!」
そんな静止の言葉も私には届かない。
『震えてるのか?ナイフごときで。』
あの時は立場が逆だった。
私は東条怖くて、
今は東条が私を恐れている。
「ヒッ!」
『逃げんなよ、自分で撒いた種だ。
私が妹想いのお姉ちゃんなの知ってるだろ?』
逃げないように床に頭を押し付け、
ナイフを掲げる。
『恨むなら自分を恨むんだな。』
何度も許しを請う言葉も聞かず、
私は東条の背中にナイフを振り下ろす。
カシャーン!!
でも、
振り下ろした筈のナイフは床に転がっていた。



