直紀side


「なんで職員室に居ねぇんだよ!」


やっぱ放送で呼べば良かったか?


「お?」


なんで屋上に続く階段から降りてくんだ?


「おーい光喜…え?お前…泣いてんのか?」


「泣いてねぇーよッ!!」


…いや、もろ泣いてんじゃん。


「それにその顔どうしたんだ?
屋上で何があったんだよ。」


「……類とケリつけてきた。」


「お前、マヂで朱音の事が……?」


「…クラスの奴らにも
女ってバラして上手く馴染ませた、
類にも朱音の弱点を教えたから
東条とケリつける時なんとかなるだろ…。」


コイツずっと朱音を想ってたんだな。
じゃなきゃここまでしねぇよ。

類に任せて自分は身を引いたのか。


「……お前、カッコいいな。」


「うっせぇよ…。」


きっと、朱音にもその想い届いてる。
お前はどうせ「冗談だ」とか言ったんだろうな?

でも、俺らは知ってる。
お前は冗談も嘘も付かないって事を。

だから、今は素直に泣いとけ。


直紀sideEND