光喜side


俺は朱音への気持ちにケリつける為に
屋上に類を呼び出した。


類が朱音を想ってる事なんて一目瞭然だった。

そして、きっと朱音も…。


『光ちゃん!!!告白…冗談でも嬉しかったよ!』


朱音の言葉に足を止め、耳だけで聞く。


『すっごく嬉しかった!!
でも…光ちゃんは私にとってお兄ちゃんなの!
家族みたいに大切な存在だと思ってる!』


分かってた。
俺を男としてじゃなく紘と同じ感情で見てた事。


「……バーカ!
あんなの冗談に決まってんだろ?
俺だって冗談言う時ぐらいあんだよ!」


本当は類じゃなく、
俺がお前を守ってやりたかった。

寂しさ、悲しさ、苦しさを分かち合い、
幸せを共有したかった。


『光ちゃん…。』


「お前ら授業ちゃんと出ろよー?」


泣くのを堪え、明るい声で屋上から出た。


「……結構、クるもんだな?」


階段を降りる途中視界がボヤける。

俺は今日、長かった恋に幕を下ろした。


光喜sideEND