双姫 Ⅰ



『で…そこに代入して。
そうそう!やれば出来るじゃん!!』


「ほ、本当!?
僕…初めて勉強で褒められたよぉ(泣)」


「お、俺も…(泣)」


大袈裟な…。


「ね、ねぇ朱音?
他の奴らが見たがってるんだけど…。」


『は?』


私達は他の生徒に背を向けて教えていた。
振り向くと大勢の生徒が私の後ろに控えていた。


『な、何事?』


「皆、教えて欲しいみたい…。」


う、うそーん(笑)


クラス「か、神崎さん?教えて下さい!!」


『えー……。』


「俺、陽貴(はるき)!
てか、神崎さんめっちゃ可愛いね!!
俺に数学教えてよ!」


何コイツ馴々しい…。


陽貴は他の生徒を押し退けて
私の隣の椅子に座った。


「いや、マジで可愛いね…。
俺の彼女にならない?
結構俺もカッコいいと思うよ??」


いや、断じて無理。
生理的に無理、絶対無理。


話したくなくて燐と愁斗に向き直す。


話すだけ無駄無駄。
こんなのは一度話すと図に乗るタイプだから。


私は無視を決め通した。